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外貨預金のリスクを把握しよう!注意点と失敗しないためのコツ

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円預金よりも高金利で、為替変動によって利益が狙えることが魅力の外貨預金。超金利時代といわれる近年において、有効な資産運用方法として注目を集めています。
しかし、外貨預金は円預金と仕組みがことなるがゆえ、いくつか注意しておきたいリスクがあります。
今回は、外貨預金で知っておきたいリスクと、失敗しないための運用のコツをご紹介します。
これから外貨預金を始めようと検討している方は、リスクを十分に理解しておきましょう。

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外貨預金の仕組みとは?

外貨預金とは、日本円をドルユーロといった海外の通貨で預金することです。
近年では金融機関の公式アプリなどから申し込みができるようになったりと、とても身近になりました。

大きな仕組みは日本円での預金と変わりませんが、日本円と比べて受け取れる金利の額が多くなる傾向があります。
金利が高い=受け取れる金額が多い」ということになるため、低金利の近年では魅力的な預金手段といえるでしょう。

また、金利とは別に、為替差益と呼ばれる収益が発生することも魅力といえます。

為替差益とは、日本円から外貨に両替した時の為替レートが、外貨から日本円に両替した時のレートより円安だった場合に生じる利益のことをいいます。反対に円高のタイミングで円から外貨に両替すると損益が発生します。
日々変動する為替レートによって、利益や損失が変動するのが外貨預金最大の特徴といえるでしょう。

預け入れる外貨は米ドルやユーロなどの通貨がメジャーですが、南アフリカランド、ブラジルレアルといったさまざまな外貨が選択できます。銀行によって取り扱っている外貨の種類が異なるため、事前に金利や為替レートなどを確認してから決定する必要があります。

外貨預金にはどのようなリスクがある?

外貨預金の仕組みを見てみると、「円でお金を貯めるより外貨預金にしたほうがお得なのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、リスクもあるのが資産運用です。具体的にどのようなリスクがあるのか、始める前にしっておきたい注意点を解説します。

リスク1:為替変動による元本割れの可能性がある

外貨を円に両替した際に、受け取る金額がこの最初に預金した金額よりも下回ってしまうことを「元本割れ」といいます。
預け入れた時よりも円高のタイミングで引き出してしまうと、元本割れが発生します。
外貨から円に払い戻しする際は、必ず為替レートを確認して、元本割れしないタイミングで行いましょう。
ただし、金利が高い通貨を長期で預け入れた場合、利息が上乗せされるため、円高のときい払い戻ししても利益が得られる場合もあります。

リスク2:為替手数料がかかる

外貨預金で覚えておきたい重要なポイントが「為替手数料」です。為替手数料とは、外貨と円の両替の際に金融機関に支払う手数料のことをいいます。

外貨預金では「円を外貨にして入金する時」と、「外貨を円に戻して出金する時」の両方で為替手数料が発生します。
日常で使用する日本円銀行口座の感覚で頻繁に出し入れするとその都度為替手数料が差し引かれ、利益がなかなか出なかったり、元本が目減りしてしまう可能性があるため注意しなければなりません。

手数料は外貨の種類や金融機関によって異なりますが、世界の基準通貨である米ドルは手数料が安く設定されています。
一方、南アフリカランドやトルコリラなどは金利が高く一見お得に見えますが、手数料も米ドルより高いことが多く、金利だけを見て一概に得とは言い切れません。

【豆知識】絶対知っておきたい「TTS」「TTB」「TTM」とは?

外貨預金を始める前に、以下の3つのワードを理解しておきましょう。

TTS=対顧客電信売相場。円を外貨に両替するときの相場のことを指します。
TTB=対顧客電信買相場。TTSの反対で外貨を円に換えるときの相場です。
TTM=中値。金融機関では、毎朝午前9時55分時点の為替相場を参考に、その日の基準になるレートを決定しています。

これらの3つの相場は、外貨預金を運用するうえで重要な判断基準となります。為替相場は日々変動するため、インターネットやニュースなどでこれらの相場をチェックしながら運用しましょう。

リスク3:外貨預金に税金がかかる

外貨預金で利益が出ると、税金が発生することも理解しておかなければなりません。

害が預金にかかる税金には、「利息に対する税金」「為替差益に対する税金」の2種類があります。

利息にかかる税金を「利子所得」といい、国内金融機関で外貨預金をする場合には、所得税に復興特別所得税を加えた15.315%と、住民税5%の源泉分離課税を足した額を納める必要があります。
ただし、利息を受けるときにすでに源泉徴収されているため、確定申告をする必要はありません。

一方、為替差益は雑所得扱いになるため、確定申告が必要です。ただし、年収2,000万円以下の給与所得者で、為替差益を含めた給与所得および退職所得以外の所得が年間20万円以下であれば、確定申告は不要となっています。

また、為替差損が発生した場合は確定申告は不要ですが、他に黒字の雑所得がある場合には、確定申告して相殺したほうが得になるケースもあります。確定申告の時期が近づいてきたら、毎年外貨預金によってどれくらいの利益または損失があったのか、きちんと把握しておくことが重要です。

リスク4:為替レートの変動は予測しづらい

為替レートは需要(買い手)と供給(売り手)のバランスによって決まります。
一般的な商品でも同様で、買いたい人が殺到して商品が足りなくなると価格が高騰します。
新型コロナが流行した当初、マスクが品薄になり値段が高騰したことは記憶に新しいのではないでしょうか。
為替も同様で、買いたい人が増えれば価格が上昇し、売りたい人が多くなれば下がる仕組みです。

為替レートの主な変動要因としては、貿易収支や経常収支、金利差、物価上昇率、経済成長率などが考えられます。
また、戦争や災害といった社会情勢にも左右されます。これらの要素が複雑に絡み合って決まっているため、為替変動を正しく予測することは簡単ではありません。
予期せぬ政治不安などで為替相場が下落するリスクもあるため、普段から国内外の情勢をチェックしておくことが大切です。

リスク5:ペイオフの対象外となる

ペイオフとは、万が一銀行が倒産してしまった時のための預金保険制度のことです。
普段使用している日本円口座のお金は、1,000万円までであれば銀行が預金を返せなくなったとしても保証してもらえます。

ただし、外貨預金はペイオフの対象にならず、万が一銀行が倒産してしまった場合、その分だけ損失になる可能性があります。
リーマンショックが記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。銀行の倒産が絶対にないとは言いきれない時代、リスクとして覚えておいた方がよいでしょう。

リスクと上手に付き合うコツ

外貨預金は、円預金と比べて高い金利が得られることに加えて、為替変動による利益を狙えることが魅力です。
しかし、利益とは逆に為替変動によって損失を被るリスクも避けられません。
誤った運用や知識不足によって失敗しないためにも、しっかりリスク管理を行いましょう。ここでは、外貨預金のリスクを軽減させる運用のコツをご紹介します。

外貨変動のリスクを抑える通貨の分散と時間の分散

為替変動の影響を和らげる手段のひとつが「通貨分散」です。一つの通貨でまとめて投資する場合、その通貨が円高になってしまうと大きな損失を被るリスクがあります。
しかし、複数の通貨を組み合わせて投資した場合、一つが円高になったとしても、全体としての変動のブレの抑制できるため、結果的に預金全体の損失を抑えることができます。

通貨を分散する際は、2つ以上の通貨を組み合わせて持つことをおすすめします。具体的にどこの通貨を組み合わせるのがよいのか、絶対的なものはありませんが、値動きの異なる通貨の組み合わせがベターです。
なぜなら、同じ地域内で複数の通貨を組み合わせても、為替レートの動きが似通っている傾向があるためです。

例えば、米ドルとユーロなどが挙げられます。一般的に、米ドルといった取引シェアの大きい通貨と違い、マイナー通貨は為替変動が大きくなる傾向があるようです。

また、通貨とともに「時間分散」も有効な手段のひとつです。もっとも円高のタイミングで預けることが理想ですが、為替相場を完璧に予想することは困難といえるでしょう。
同時期にまとめて預けるのではなく、何度かに分けて預けることで、為替変動によるリスクを分散できます。

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外貨預金は余裕資金で長期保有するのがポイント

外貨預金は普段使いするお金ではなく、長期間にわたる投資を想定して行うのが理想といえます。
なぜなら、差額差損などによるマイナスが出たときの影響が生活にまで及ぶのを防ぐためです。また、為替変動により一時的に円高になったとしても、円安のタイミングがくるまでじっくり待ってから払い戻しができるため、元本割れを防ぐこともできます。

外貨預金成功の秘訣は「大きな損をしないこと」。税制も含めたリスクを理解してから始めることが肝心です。
各金融機関には預け入れの最低金額や手数料、利率の記載があるので、比較してみてください。
不明な点は金融機関に質問するのも良いでしょう。リスクを把握し、資金・時間とともにゆとりを持って始めてくださいね。

 

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この記事の監修者

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渋谷 和比古

3歳から12歳まで養護施設で育ち、家族が幸せであるためにはお金が必要との思いを強くする。
養護施設を出てからは不安定な生活が続き、お金の大切さを益々感じるようになる。 ファイナンシャルプランナーとして大手外資系保険会社に就職。一か月でトップセールスマンとなり、会社の歴代記録を塗り替える。現在は大手企業のクライアントも多く持ち、海外金融を含めた財務・会計サービスを日本のお客様に提供している。Earth’sGroup株式会社の代表を務める。

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