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iDeCo(イデコ)を徹底解説!個人年金保険との違いやメリットは?

金融庁が発表した「老後2,000万円問題」をきっかけに、「年金だけでは老後の資金が足りないのでは?」と将来に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
少子高齢化が進み、公的年金の負担が年々大きくなっているいま、個人で老後の資金を準備する「確定拠出年金」に注目が集まっています。
今回は、個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」について、個人年金保険と比較しながら解説します。
目次
iDeCoとは?
iDeCoとは、加入者自身で月々の掛金を積立・運用する公的制度で、個人型確定拠出年金ともいわれています。
毎月決まった額を積立てて、60歳以降に受け取れる公的年金に上乗せして、年金または一時金を受け取る私的年金のひとつです。
現在、日本の公的年金制度では、現役世代が収めた年金を現時点での受給者に給付する「賦課方式」が採用されています。
しかし、現役世代と年金受給者の比率が変わると、保険料負担が増加したり、将来受け取れる年金の額が下がってしまう可能性があります。
もしも自分が年金の給付を受けるとき、「年金だけでは生活費がまかなえない…」となったらどうなるのでしょうか。
こうした老後の資金不足のリスクに備えて、公的年金に加えて私的年金の活用が進められています。
iDeCoでは、掛金額は5,000円以上・1,000円単位で設定できるため、家計に応じて無理なく資金を積み立てられるのが特徴です。
基本的に20歳以上60歳未満の方ならどなたでも加入できますが、職業や所属する企業年金制度の違いなどによって積立上限額が異なります。
個人年金保険とどう違う?
iDeCoの個人型確定拠出年金と個人年金保険、どちらも公的年金の上乗せとして資金を積み立てる制度ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
個人年金保険の主な特徴は以下となります。
■個人年金保険の特徴
・定額個人年金と変額個人年金の2つのタイプがある
・受け取れる期間が5年、10年、15年などと決まっている
・給付前に被保険者が死亡した場合は、遺族が払い込んだ保険料相当額を受け取れる
・契約者貸付制度を利用できる(途中で引き出せる)
・途中解約して解約返戻金を受け取れる
・生命保険控除の対象となる
・運用は保険会社が行う
個人年金保険とは、公的年金を受け取るまでの間に保険料を積み立て、将来年金という形で受け取ることができます。
契約時点で受け取れる年金額が決まっている「定額個人年金」と、株式などの運用成果によって年金額が変動する「変額個人年金」の2つの種類があります。
iDeCoと大きく異なるのは、運用を保険会社が行うという点です。資産運用の知識がなくとも気軽に始めやすいため、投資や運用の知識がない方にも安心といえます。
また、個人年金保険には税制上の優遇措置が設けられており、生命保険控除の対象となるといったメリットもあります。
さらに、払込中にお金を引き出したい場合は、「契約者貸付制度」を利用することも可能です。
万が一被保険者が保険料の払込中に死亡した場合には、払い込んだ保険料相当額が遺族に支払われる仕組みとなっています。
これに対して、iDeCoの特徴は以下となります。
■iDeCoの特徴
・被保険者が自分で積立金を選定・運用する
・途中解約ができない(途中で引き出すこともできない)
・加入期間が60歳までに固定されている
・投資の運用益は全額非課税になる(60歳になるまで)
個人年金保険と大きく異なるのは、積立期間が60歳までに固定されていること、掛金保険の選定や運用を被保険者自身で行う必要がある点です。
運用には投資に関する知識や、将来の資金計画などが必要になるため、利用時には慎重な判断が求められます。
途中解約はできませんが、投資の運用益が60歳まで全額非課税になる利点もあります。
掛け金と所得税率に応じて還付が受けられる、年金の受取時にさまざまな税控除があるなど、節税に対するメリットが大きいこともiDeCoの特徴です。
iDeCoのメリット
iDeCoの特徴といえば、なんといっても大きな節税効果です。3つの節税効果を中心に、iDeCoのメリットについて説明します。
〈メリット1〉掛金が全額所得控除
iDeCoの掛金は、全額所得税や住民税の課税所得から差し引くことができる「所得控除」の対象となります。
将来の年金を運用して積み上げるだけでなく、現在支払っている税金も安くなるメリットがあります。
〈メリット2〉利益・運用益が非課税
通常、投資信託や定期預金の利息には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoはすべて非課税となります。
長期での運用となる事が多いため、複利効果が期待できます。
〈メリット3〉給付金受け取り時に税負担を軽減
積み立てた資金は、60歳になった時点で受け取る事ができます。
年金として分割で受け取る方法、一時金(一括)として一括で受けとる方法、または年金と一時金を組み合わせた受け取り方法などがあります。
分割で受け取る場合には雑所得として総合課税、一時金で受け取る場合には退職所得として分離課税されます。
これらはそれぞれ控除の対象となり、所得控除が受けられます。
■専業主婦にもメリットがある
専業主婦の場合は所得控除は受けられませんが、運用益が非課税となり、複利効果が得られるメリットがあります。また一般的に退職金がない専業主婦の場合、公的年金の額が少ないため受給時に課税されない可能性が高いのもポイントです。
〈メリット4〉ライフステージにあわせて掛金の見直しができる
1年に1回掛金の変更ができます。拠出の休止、再開も可能です。
とくに20代〜30代といった若い家族の場合、出産や子どもの進学、または働き方の変化など、ライフステージがめまぐるしく変動する事が予想されます。老後の資金以外にも備えなくてはならない資金も発生するでしょう。
自身の収支状況などにあわせて掛金を見直しながら、無理のない資産運用を心がけましょう。
iDeCoのデメリット
特に節税に関して大きなメリットがあるiDeCoですが、一方でデメリットや向き・不向きもあります。
デメリットをしっかり把握することは、上手な資産運用の欠かせないポイントです。
〈デメリット1〉引き出しは60歳以降限定
老齢給付金として受け取ることを目的としているため、積み立てた資産は原則60歳以降まで引き出すことができません。
〈デメリット2〉解約できない
運用をスタートしたら、60歳まで解約ができません。
ライフステージの収支に合わせて、掛金の見直しや休止などを考慮しながら運用していきましょう。
〈デメリット3〉手数料(口座管理料)が毎月かかる
iDeCoはどの金融機関で加入時しても手数料がかかります。また運用中は毎月口座管理料が発生する場合もありまあす。
金額は金融機関によって異なりますので、開設する前にいくらかかるのかしっかり確認しておきましょう。
また、休止中であっても口座管理料は引かれますので注意が必要です。
iDeCoで適切な運用方法をするために
iDeCoを始めるにあたり、資産の配分や資産運用の方法を決めなければなりません。
しかしどうすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
いくら投資に回すかを考える
既に投資をしている口座がある場合、その残高を考慮してどのくらい投資に回すか割合を考えます。
これまでに投資をしていない場合は、iDeCo内の資産全額を投資してもよいでしょう。
おすすめの商品
信託報酬が低く抑えられた「バランス型ファンド」がおすすめ。
資産配分を投資信託サイドで常に調整をしてくれるため、運用のメンテナンスの負担が軽減されるメリットがあります。
iDeCoに向いている人とは
iDeCoは所得控除に制限がないため、より多くの掛け金を拠出できるほど節税面で有利になります。
所得が多い人ほどメリットが大きいといえるでしょう。
また、自分自身で投資商品を運用するため、投資に関する知識が必要になります。
始める前にしっかり勉強しておくことをおすすめします。
個人年金保険に向いている人とは
20~30代の若い世代には、個人年金保険はあまりおすすめできません。
若い世代は子育て資金や住宅資金の方が優先度が高く、固定費である個人年金保険の保険料が重荷になる可能性があるためです。
保険は長期にわたって払い続けるのが前提。途中で解約すると時期によっては元本割れしてしまい、損をしてしまうのです。
一方で、それが解約の抑止力となり、貯蓄が苦手な人にとっては老後への資金準備となります。
また、投資や資産運用などが何度勉強してもよくわからないという方にもこちらがおすすめです。
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まとめ
個人年金保険もiDeCoも、積み立てたお金を将来受け取ることができる点では変わりません。
しかし、個人年金保険が積立金の運用を保険会社に任せられて手軽に始められるのに対し、iDeCoは自身で運用していく必要があります。知識が必要だったり、途中で解約できないデメリットがある反面、控除に関するメリットが大きい点は見逃せません。
興味はあるけれど、きちんと運用できるか心配な方は、まずは資料請求やセミナーに参加するところからはじめてみてはいかがでしょうか。
人生100年時代。上手に資産運用してより豊かな老後生活を迎えましょう。
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この記事の監修者

村松 寛太
1987年、富山県富山市生まれ。
大学進学と共に上京し、就職と共に地元北陸に戻る。
両親の死をキッカケに自身の人生を考え、会社員時代に7つの収入源を獲得する。 27歳で独立後、個人事業主として自律した社会人を増やすべく活動。
32歳でTRUST company株式会社を設立。
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